【2025年最新】複合機のコスト削減とTCO対策|経費20%削減の具体例

ビジネスを効率的に運営するためには、あらゆるコストを最適化することが重要です。
特にオフィス環境において欠かせない複合機やコピー機の運用コストは、見過ごされがちですが実は大きな支出となっています。
本記事では、複合機の総保有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)を理解し、効果的なコスト削減方法をご紹介します。
企業規模を問わず、すぐに実践できる対策から長期的なコスト最適化戦略まで、具体的な方法をお伝えします。
複合機コスト削減の方法

コスト削減の基本的な考え方
複合機のコスト削減を考える前に、まずはどこにコストがかかっているのかを正確に把握することが重要です。
複合機関連の主なコスト項目は以下の通りです:
- 購入・リース費用:初期導入時の本体価格やリース料金
- 消耗品費:トナー、インク、用紙、ドラムユニットなど
- 保守・メンテナンス費:定期点検や修理費用
- 電気代:稼働および待機時の電力消費
- スペースコスト:設置場所のオフィス賃料按分
- 管理コスト:発注・在庫管理などの人的コスト
これらの項目を正確に把握し、総合的なコスト削減を目指しましょう。
導入・調達段階でのコスト削減
1. 適切な機種選定
コスト削減の第一歩は、自社のニーズに合った機種を選ぶことです。過剰なスペックの機種を導入すると、不必要な初期投資やランニングコストが発生します。
- 印刷量の把握:月間の印刷枚数を正確に把握し、適切な処理能力の機種を選定
- 必要機能の精査:カラー印刷の必要性、両面印刷、ステープル機能など、実際に使用する機能のみを備えた機種を選ぶ
- 拡張性の検討:将来的なニーズの変化に対応できる拡張性を持つ機種を選定
2. 購入とリースの比較検討
複合機を導入する際、購入とリースのどちらが自社にとって経済的かを検討することが重要です。
- 長期的に使用する場合はコスト削減になる可能性がある
- 資産として計上できる
- 自由に処分できる
- 初期投資を抑えられる
- 保守サービスが含まれることが多い
- 定期的な機器更新が可能
- リース料は全額経費計上できる
一般的に、3〜4年以内に機器更新を予定している場合や、キャッシュフローを重視する場合はリース、長期間使用する予定で資金に余裕がある場合は購入が有利となる傾向があります。
3. 複数の見積もり比較
複合機の導入を検討する際は、必ず複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討することが重要です。同じ機種でも、販売店によって価格やサービス内容、保守契約の条件が大きく異なることがあります。
- 本体価格またはリース料金
- 保守契約の内容と料金
- 消耗品の価格と供給体制
- サポート体制と対応時間
- 追加オプションの有無と価格
4. 中古・再生機の活用
新品の複合機にこだわらず、中古機や再生機の導入も検討する価値があります。
特に予算に制約がある中小企業や、補助的な使用目的の場合は、大幅なコスト削減につながります。
- メーカー認定再生機:メーカーが整備し保証を付けた再生機は信頼性が高い
- リース終了後の中古機:大手企業でのリース終了後の機器は状態の良いものが多い
- 保証・サポート:中古でも十分な保証とサポートが受けられるかを確認
運用段階でのコスト削減
1. 印刷ポリシーの設定と徹底
社内での印刷ルールを明確にし、不必要な印刷を減らすことで、消耗品や電力の使用量を削減できます。
- 両面印刷の標準化:特別な理由がない限り両面印刷を徹底
- モノクロ印刷の推奨:カラー印刷が必要な場合のみ許可
- 縮小印刷の活用:2in1、4in1印刷機能を活用
- 印刷前のプレビュー確認の徹底:ミスプリントの削減
2. 複合機の適正配置
オフィス内での複合機の配置を最適化することで、業務効率と運用コストの両方を改善できます。
- 使用頻度に応じた配置:高頻度利用部署の近くに設置
- 機能の分散:フロアごとに必要な機能を持つ機種を選択的に配置
- 共有化の推進:小型プリンターの個別配置を減らし、複合機の共有利用を促進
3. 権限設定とユーザー管理
複合機の使用権限を適切に管理することで、不必要な印刷を抑制し、部門ごとのコスト管理も容易になります。
- ユーザー認証の導入:ICカードや暗証番号による認証システム
- 部門別の利用制限:カラー印刷や大量印刷の権限制限
- 利用状況の可視化:部門別・個人別の使用量レポート作成と共有
クラウドサービスとの連携によるペーパーレス化
紙の使用そのものを減らすことが、最も効果的なコスト削減方法の一つです。現代のビジネス環境では、多くの文書がデジタル化できます。
- 文書管理システムの導入:紙文書のスキャンと電子保存
- 電子承認システムの活用:稟議書や申請書類の電子化
- オンライン会議資料の推進:タブレットやPCでの資料共有
- 電子サイン・電子契約の活用:契約書類の印刷削減
以上のような方法を組み合わせることで、複合機に関連するコストを総合的に削減することが可能です。次に、具体的なランニングコストの比較方法について見ていきましょう。
コピー機のランニングコストを比較

ランニングコストの構成要素
コピー機や複合機のランニングコストを正確に把握し比較するためには、以下の主要な構成要素を理解することが重要です。
1. 印刷単価(コストパーページ)
印刷1枚あたりのコストは、機種選定において最も重要な指標の一つです。
- モノクロ印刷単価:一般的に1枚あたり0.5円〜3円程度
- カラー印刷単価:一般的に1枚あたり5円〜20円程度
これらの単価は、消耗品(トナー・インク・ドラム等)のコストと耐久性によって決まります。ただし、メーカーが公表する印刷可能枚数は理想的な条件下での数値であることに注意が必要です。実際の業務では、印刷内容や使用環境によって変動します。
2. 月間基本料(保守料金)
多くの複合機では、月額の基本料金または保守料金が発生します。この料金体系は大きく分けて以下の2種類があります。
- カウンター方式:印刷枚数に応じて料金が発生(基本料+従量制)
- 定額保守方式:月額固定料金で一定枚数までの印刷と保守を含む
自社の印刷量と照らし合わせ、どちらの方式が経済的かを検討することが重要です。
3. 電力消費量
複合機の稼働時および待機時の電力消費量も、長期的なコスト比較において考慮すべき要素です。特に大型の複合機では、1台あたり年間数万円の電気代がかかることもあります。
- 稼働時消費電力:実際に印刷時の消費電力(数百W〜数kW)
- 待機時消費電力:スリープモード時の消費電力(数W〜数十W)
- ウォームアップ時間と電力:スリープからの復帰時間と消費電力
エネルギー効率の高い機種を選ぶことで、長期的な電気代の削減につながります。省エネ性能を示す「国際エネルギースタープログラム」などの認証マークも参考になります。
機種別ランニングコスト比較の実例
以下に、代表的な複合機のランニングコスト比較の例を示します。あくまで参考値であり、実際の契約条件やオプション構成によって変動します。
機種タイプ | モノクロ印刷単価 | カラー印刷単価 | 月間基本料 | 電力消費量(待機時) | 年間総コスト試算* |
小型オフィス向け | 2.0円/枚 | 10.0円/枚 | 2,000円 | 10W | 約15万円 |
中規模オフィス向け | 1.5円/枚 | 8.0円/枚 | 5,000円 | 15W | 約30万円 |
大規模オフィス向け | 1.0円/枚 | 6.0円/枚 | 10,000円 | 20W | 約50万円 |
*年間総コスト試算は、月間モノクロ5,000枚、カラー1,000枚の印刷を想定した場合の概算
TCO(総所有コスト)の算出方法
複合機の真のコストを把握するためには、導入時の費用だけでなく、運用期間全体にわたる総所有コスト(TCO)を算出することが重要です。TCOは以下の要素で構成されます:
TCO算出式の例
具体的な計算例
5年間使用する中規模オフィス向け複合機のTCO試算:
- 初期導入費用:100万円(購入の場合)またはリース料60万円(5年リースの場合)
- 年間ランニングコスト:30万円(印刷コスト+保守料+電気代)
- 廃棄・更新コスト:5万円
購入の場合のTCO = 100万円 + (30万円 × 5年) + 5万円 = 255万円
リースの場合のTCO = 60万円 + (30万円 × 5年) + 0円 = 210万円
この例では、5年間の使用ではリースの方がTCOが低くなります。ただし、6年以上使用する場合は購入の方が有利になる可能性があります。
コスト比較時の注意点
複合機のランニングコストを比較する際には、以下の点に注意することが重要です。
1. 見積もり条件の統一
異なるベンダーの見積もりを比較する際は、同じ条件(同等の機能、同じ月間印刷枚数、同じ保守内容など)で比較することが重要です。
2. 隠れたコストの確認
見積もりに含まれていない可能性のある項目を確認しましょう:
- 消耗品の交換費用(トナー以外の部品)
- 出張サービス料金
- ソフトウェアのアップデート費用
- トラブル対応の保証範囲と対応時間
3. 実際の使用環境との適合性
カタログスペックは理想的な条件下でのものです。実際の使用環境(印刷内容、使用頻度、設置場所の温湿度など)によってパフォーマンスやコストは変動します。可能であれば、検討中の機種のデモ機をテスト利用することをお勧めします。
コピー機や複合機のランニングコストを正確に比較し、自社のニーズに最適な機種を選定することで、長期的な運用コスト削減につながります。次に、オフィス機器全体の維持費削減について考えていきましょう。
オフィス機器の維持費削減

複合機だけでなく、オフィス内の各種機器の維持費を総合的に削減することで、さらなるコスト効率化が可能になります。ここでは、オフィス機器全般の維持費削減の方法について解説します。
オフィス機器の統合と適正化
1. 機器の統合によるコスト削減
オフィス内に散在する個別の機器(プリンター、スキャナー、FAX等)を複合機に統合することで、機器購入費、設置スペース、消耗品費、電気代など多くのコストを削減できます。
- 機器導入・維持コストの削減
- 設置スペースの効率化
- 管理業務の簡素化
- 消耗品の一元管理
- 業務の特性に合わせた機能配分
- ネットワーク環境の整備
- バックアップ機の確保
2. 適正な機器配置と稼働率の向上
オフィス内の機器配置を見直し、適正化することで稼働率を向上させ、機器あたりのコストパフォーマンスを高めることができます。
- 使用頻度分析:部門別・時間帯別の使用状況を分析
- 適正配置:使用頻度の高いエリアに効率的に配置
- 共有ルールの設定:部門間での共有ルールを明確化
オフィス機器の保守・管理の最適化
1. 保守契約の見直し
複数のオフィス機器の保守契約を一括で見直すことで、コスト削減の余地があります。
- 複数機器の一括契約:同一ベンダーでの一括保守契約による割引交渉
- 実態に合わせたプラン選択:使用頻度や重要度に応じた保守レベルの選択
- スポット保守の活用:低頻度利用機器はスポット保守で対応
2. 予防保守の徹底
故障してから対応する「事後保守」より、定期的なメンテナンスによる「予防保守」の方が長期的にはコスト削減につながります。
- 定期クリーニング:ホコリや紙粉の除去による故障予防
- 消耗部品の計画的交換:寿命前の計画的交換によるダウンタイム削減
- 使用環境の最適化:温度・湿度・清浄度の適正管理
3. 資産管理システムの導入
オフィス機器の履歴や状態を一元管理することで、効率的な運用とコスト削減が可能になります。
- 機器情報の一元管理:購入日、保守履歴、使用状況等の記録
- 使用状況の可視化:部門別・個人別の使用量の把握と分析
- 適正更新計画の策定:使用状況に基づく計画的な更新
IT環境との連携によるコスト削減
1. クラウドサービスの活用
社内の文書管理やワークフローをクラウド化することで、印刷物の削減と業務効率化を同時に実現できます。
- クラウドストレージの活用:紙文書のデジタル化と共有
- ワークフローシステム:申請・承認プロセスの電子化
- Web会議システム:ペーパーレス会議の実現
2. モバイルデバイスとの連携
スマートフォンやタブレットからの直接印刷や、逆にスキャンデータのモバイル端末への送信などの連携機能を活用することで、業務効率化とコスト削減を図れます。
- モバイルプリント:外出先からの印刷指示
- スキャンto端末:紙文書の即時デジタル化
- クラウド連携:スキャンデータの自動クラウド保存
3. 印刷管理ソフトウェアの導入
印刷管理ソフトウェアを導入することで、不必要な印刷の削減、コスト意識の向上、セキュリティ強化などの効果が期待できます。
- 印刷ジョブの可視化:誰が何をどれだけ印刷したかの把握
- 部門別課金:コスト意識の向上と適正配分
- 印刷ルールの強制:両面・モノクロ設定の強制適用
- セキュリティ印刷:認証による出力制御でミスプリント削減
省エネ対策によるコスト削減
1. 省エネ設定の最適化
複合機を含むオフィス機器の省エネ設定を見直すことで、電気代の削減が可能です。
- スリープモードの適正設定:未使用時の自動スリープ移行時間の短縮
- 電源オフタイマー:業務時間外の自動電源オフ
- エコモードの活用:省電力モードでの運用
2. 電力消費量の可視化と啓発
電力消費量を可視化し、従業員の意識向上を図ることで、さらなる省エネ効果が期待できます。
- 電力モニターの設置:リアルタイムの電力消費量表示
- 部門別・機器別の電力使用量レポート:定期的な報告と改善目標設定
- 省エネ活動の表彰:積極的な取り組みの評価と表彰
オフィス機器の維持費削減は、単なるコスト削減だけでなく、業務効率化や環境負荷低減にもつながる重要な取り組みです。次に、複合機の消耗品や節約術について詳しく見ていきましょう。
複合機の消耗品や節約術

複合機の運用コストにおいて大きな割合を占めるのが消耗品費です。ここでは、消耗品の効率的な使用方法や調達方法について解説します。
主要な消耗品とその特性
1. トナーカートリッジ
複合機のランニングコストで最も大きな割合を占めるのがトナーカートリッジです。効率的な使用と適切な調達が重要です。
純正品:メーカー保証があり信頼性が高いが価格も高い
互換品:価格が安いが品質にばらつきがあり、機器トラブルのリスクも
リサイクル品:環境にやさしく価格も抑えられるが、寿命が短い場合も
・印刷品質の要求レベル(重要文書か内部資料か)
・機器保証への影響(互換品使用で保証が無効になる場合も)
・総合的なコストパフォーマンス(安価でも頻繁に交換が必要なら非効率)
2. ドラムユニット
画像を形成する重要な部品で、一定の印刷枚数ごとに交換が必要です。
- 寿命目安:一般的に10,000〜100,000枚程度(機種により大きく異なる)
- 交換タイミング:早すぎる交換は無駄、遅すぎると印刷品質低下や機器故障の原因に
- ドラムの取り扱い:直射日光を避け、表面に触れないよう注意
3. その他の消耗部品
- 定着ユニット:トナーを紙に定着させる部品
- 転写ローラー/ベルト:トナー画像を紙に転写する部品
- 給紙ローラー:紙を送り出す部品
- 廃トナーボックス:使用されなかったトナーを回収する部品
これらの部品は機種によって交換頻度や方法が異なるため、マニュアルや保守業者の指示に従うことが重要です。
消耗品コスト削減の具体的方法
1. 消耗品の調達方法の最適化
- まとめ買いによる割引:使用量を把握し計画的に購入
- 自動配送サービスの活用:在庫切れリスク低減と管理工数削減
- 複数見積もりの比較:定期的な価格見直しと交渉
- 複数機種の一元管理:共通の消耗品を使用する機種の採用
2. トナー節約モードの活用
多くの複合機には「トナーセーブモード」や「エコノミーモード」が搭載されています。
- 適材適所での活用:内部資料や下書きはトナーセーブモードで印刷
- デフォルト設定の変更:全社的な取り組みとしてデフォルト設定に
- 節約効果:通常モードと比較して約20〜30%のトナー削減可能
3. ドラフト印刷の活用
重要度の低い文書や確認用の印刷には、ドラフト品質での印刷を推奨します。
- 印刷設定の変更方法:プリンタードライバーの「印刷品質」設定で「ドラフト」や「高速」を選択
- 教育・啓発:用途に応じた適切な品質設定の徹底
4. フォント選択の工夫
使用するフォントによってトナー消費量が変わります。
- 細字フォントの活用:Arial Narrowなどの細字フォント
- トナー消費の少ないフォント:Century Gothic, Times New Roman, Calibriなど
- 文字サイズの最適化:読みやすさを維持しつつ最小限のサイズに
5. 印刷プレビューの徹底
印刷前のプレビュー確認を徹底することで、ミスプリントによる無駄を削減できます。
- ページレイアウトの確認:余白やページ分割の確認
- 必要ページのみの印刷:必要なページだけを選択印刷
- 二次元コード活用:長文URLなどはQRコード化
消耗品管理の効率化
1. 在庫管理の最適化
適切な在庫管理により、緊急発注による割高購入や過剰在庫による資金固定化を防ぎます。
- 適正在庫量の設定:使用量と納期から算出(例:平均1ヶ月使用量+予備)
- 発注点管理:在庫が一定量を下回ったら発注する仕組み
- 在庫管理システム:バーコード管理やクラウド在庫管理の活用
2. 消耗品の使用状況モニタリング
複合機の管理ソフトウェアを活用し、消耗品の使用状況をリアルタイムでモニタリングします。
- 残量通知の活用:システムからの自動通知設定
- 使用履歴の分析:部門別・時期別の使用量推移分析
- 予測発注:使用パターンに基づく発注タイミングの最適化
3. リサイクル・リユースの促進
環境負荷低減とコスト削減の両面から、消耗品のリサイクル・リユースを推進します。
- 空カートリッジの回収:メーカーや専門業者の回収プログラム活用
- リフィルサービスの利用:トナー補充サービスの検討
- 下取りプログラムの活用:新品購入時の空カートリッジ下取り
紙の節約と有効活用
消耗品としての紙の使用量削減も、重要なコスト削減策です。
1. 用紙選択の最適化
- 用途に応じた用紙選択:重要文書と内部資料で用紙グレードを使い分け
- 適切な坪量(紙の厚さ):一般的なコピー用紙は64〜90g/㎡、必要以上に厚い紙を使わない
- 再生紙の活用:内部資料には再生紙を積極的に使用
- FSC認証紙:環境に配慮した持続可能な森林管理認証を受けた用紙の選択
2. 両面印刷・集約印刷の徹底
- 両面印刷のデフォルト化:プリンタードライバーの初期設定を両面印刷に
- 集約印刷の活用:1枚に複数ページ(2in1、4in1)を印刷
- 用途に応じた設定:会議資料は両面・集約印刷、プレゼン資料は片面印刷など使い分け
3. 電子化と印刷抑制
- 電子決裁の導入:稟議・承認プロセスの電子化
- タブレット活用:会議資料の電子配布
- プロジェクター活用:投影による情報共有
- 印刷前確認ダイアログ:印刷枚数や設定を再確認する仕組み
複合機の消耗品管理と節約術を徹底することで、年間数十万円から数百万円のコスト削減が可能です。特に大量印刷を行う部署や業種では、小さな工夫の積み重ねが大きな効果を生みます。次は、コピー機の電気代削減方法について解説します。
コピー機の電気代削減

複合機やコピー機の運用コストにおいて、電気代は見落とされがちですが、実は大きな割合を占めています。特に大型の複合機や24時間稼働環境では、年間の電気代は無視できない金額になります。
複合機の電力消費の実態
1. 複合機の消費電力
複合機の消費電力は動作モードによって大きく異なります。
- 稼働時:400W〜1,500W程度(機種サイズによる)
- 待機時:50W〜200W程度
- スリープモード時:1W〜30W程度
- 電源オフ時(プラグ接続):0.5W程度
2. 年間電気代の試算例
中規模オフィス向け複合機(A3対応カラー機)の場合:
- 1日の平均稼働時間:2時間(稼働時平均消費電力800W)
- 1日の平均待機時間:6時間(待機時平均消費電力100W)
- 1日のスリープモード時間:16時間(スリープ時平均消費電力10W)
- 電気料金単価:25円/kWh
1日の電力消費量 = (800W×2時間 + 100W×6時間 + 10W×16時間) ÷ 1,000 = 2.26kWh 年間電力消費量 = 2.26kWh × 245日(営業日) = 553.7kWh 年間電気代 = 553.7kWh × 25円/kWh = 13,842円/年/台
企業規模によっては複数台導入しているため、全体では数十万円規模になることも珍しくありません。
電気代削減の具体的方法
1. 省エネ設定の最適化
ほとんどの複合機には省エネ設定があり、これを適切に設定することで大幅な電力削減が可能です。
- スリープモード移行時間の短縮:未使用時に早くスリープに移行(推奨:5〜15分)
- ディープスリープの活用:長時間未使用時に最小電力モードへ(夜間・休日)
- 電源オフタイマーの設定:業務時間外の自動電源オフ
2. 使用時間帯の最適化
- 集中印刷の推奨:小刻みな印刷より、まとめて印刷する習慣づけ
- ウォームアップ時の電力ピークを分散:始業時の一斉起動を避ける
- 昼休み中の設定:部門ごとに輪番制でスリープに移行
3. 省エネ機能の活用
- エコモードの活用:画質よりも省エネ優先の設定
- エコプリントの設定:トナー使用量削減と同時に電力も削減
- 部分電源オフ:使用しない機能(FAXスタンバイなど)の個別電源オフ
4. 省エネ意識の向上
- 電力消費の可視化:部門別・機器別の電力使用量を公開
- 省エネ目標の設定:前年比などの具体的な削減目標設定
- 好事例の共有:効果的な取り組みの全社共有
省エネ機種への更新
1. 国際エネルギースタープログラム対応機種
国際的な省エネ基準に適合した機種を選定することで、大幅な電力削減が可能です。
- スタンバイ電力の削減:従来機種と比較して50%以上の削減も
- スリープからの復帰時間:省エネと使い勝手のバランスに注意
- 自動電力調整機能:使用状況に応じて最適な電力制御
2. 最新技術の活用
- LED方式:従来のレーザー方式より消費電力が少ない
- IH定着方式:従来のヒーターローラー方式より高効率
- バイオマストナー:環境負荷低減と同時に低温定着で省エネ
3. 機器の適正配置と統合
- 使用頻度に応じた機種選定:高頻度エリアは高速復帰機
- 小型機の適正配置:使用頻度の低いエリアには小型機を配置
- 機器の統合:個別プリンターを複合機に統合し総電力量を削減
電力契約の見直し
1. 電力プランの最適化
- 業務用電力の契約見直し:使用パターンに合った最適なプラン選択
- 時間帯別料金プラン:ピークシフトによる電気代削減
- デマンド管理:最大需要電力の制御による基本料金削減
2. 再生可能エネルギーの活用
- 太陽光発電の導入:オフィスビルの屋上や空きスペースを活用
- グリーン電力証書:環境価値の購入によるCSR向上
- RE100対応:再生可能エネルギー100%運用へのロードマップ
電力使用モニタリングの導入
1. 電力モニターの設置
- リアルタイム電力表示:現在の電力使用状況を可視化
- 機器別使用量計測:コピー機単体の電力使用量把握
- 警告通知:設定値超過時のアラート機能
2. データ分析と改善
- 使用パターン分析:時間帯別・日別・季節別の電力使用傾向分析
- 改善効果測定:施策前後の電力使用量比較
- コスト換算:電力削減量を金額換算して経営層に報告
複合機やコピー機の電気代削減は、直接的なコスト削減だけでなく、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとしても重要です。小さな取り組みの積み重ねが、長期的には大きな効果をもたらします。
まとめ

複合機やコピー機のコスト削減とTCO(総所有コスト)の最適化は、企業経営において看過できない重要な課題です。本記事で解説した様々な方法を総合的に実践することで、大幅なコスト削減と業務効率化を同時に実現することができます。
主要なコスト削減ポイントの総括
- 複合機コスト削減の方法
- 適切な機種選定とニーズに合った導入方法(購入/リース)の選択
- 印刷ポリシーの設定と徹底による使用量削減
- クラウドサービスとの連携によるペーパーレス化
- ランニングコスト比較のポイント
- 印刷単価(モノクロ・カラー)の正確な把握
- 月間基本料(保守料金)の比較と最適プラン選択
- TCO(総所有コスト)の算出による長期的視点での判断
- オフィス機器の維持費削減
- 機器の統合と適正配置による効率化
- 保守・管理の最適化と予防保守の徹底
- IT環境との連携によるデジタル化の推進
- 消耗品の効率的な活用
- トナーやドラムなど消耗品の理解と適切な調達
- トナーセーブモードやドラフト印刷の活用
- 紙の節約と両面・集約印刷の徹底
- 電気代削減の取り組み
- 省エネ設定の最適化とスリープモードの活用
- 使用時間帯の工夫と集中印刷の推奨
- 省エネ意識の向上と電力使用のモニタリング
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コスト削減効果の試算例
中規模企業(従業員100名程度)での総合的なコスト削減施策の効果例:
施策項目 | 年間削減効果 (概算) |
機種最適化・契約見直し | 50〜100万円 |
印刷量削減(両面・集約印刷) | 20〜50万円 |
消耗品の効率的調達 | 30〜60万円 |
紙の使用量削減 | 10〜30万円 |
電気代削減 | 5〜15万円 |
合計 | 115〜255万円 |
※企業規模や現状のコスト状況により大きく異なります
コスト削減を成功させるためのポイント
1. 全社的な取り組みとして推進
コスト削減は一部門だけの問題ではなく、全社的な取り組みとして推進することが重要です。
- 経営層のコミットメントと明確な方針提示
- 部門横断的なプロジェクトチームの結成
- 成果の可視化と共有による意識向上
2. 段階的な実施計画
すべての施策を一度に実施するのではなく、効果の高い施策から段階的に実施することで、継続的な改善を図ります。
- 現状分析とコスト構造の把握
- 短期・中期・長期の施策に分類
- PDCAサイクルによる継続的改善
3. 従業員の意識向上と教育
最終的にコスト削減を実現するのは従業員一人ひとりの行動です。意識向上と教育が重要です。
- 具体的なルールとガイドラインの作成
- 定期的な研修や啓発活動
- 好事例の表彰と横展開
4. 専門業者やコンサルタントの活用
複合機やコピー機の最適化は専門知識が必要な分野です。必要に応じて外部の専門家を活用しましょう。
- 複合機専門コンサルタントの活用
- ベンダーニュートラルな立場からの評価
- 業界動向や最新技術の情報収集
今後の展望とトレンド
1. デジタルトランスフォーメーション(DX)との連携
複合機のコスト削減は単なる経費削減ではなく、企業全体のDXの一環として位置づけることで、より大きな効果が期待できます。
- ペーパーレスワークフローの確立
- データ活用による業務効率化
- リモートワーク環境との連携
2. サブスクリプションモデルの台頭
機器所有からサービス利用へのシフトが進み、従量課金やサブスクリプションモデルの導入が増えています。
- 印刷枚数に応じた従量課金
- ハードウェア・ソフトウェア・サービスの一体提供
- クラウド連携を含めたトータルソリューション
3. 環境対応とSDGsへの貢献
コスト削減と環境負荷低減の両立が今後ますます重要になります。
- カーボンニュートラルへの貢献
- 循環型経済モデルへの対応
- 環境パフォーマンスの可視化と開示
最後に
複合機やコピー機のコスト削減は、一時的な取り組みではなく、継続的な改善活動として位置づけることが重要です。
また、単なるコスト削減にとどまらず、業務効率化や働き方改革、環境対応など、企業経営の多面的な課題解決につながる取り組みとして推進することで、より大きな経営効果を生み出すことができます。
横浜にあるMBE関内店では、複合機の最適化や導入支援、コスト分析など、企業の複合機関連コスト削減を総合的にサポートしています。
現状の課題や改善ポイントについて、お気軽にご相談ください。
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